ドラえもんのポッケ

夜の電車の窓には車内が映ります。

映し出された車内の窓に映し出される車内も見えます。

更には、
外の景色も見えます。

外と中と中の中の景色。
見ていると何故だか
自分の中が静かになる。


そんな中
映し出された車内に
あるカップルがいた。

男の人はまるで明日をみているかのように
めちゃくちゃいい姿勢で正面を見ている。



女の人は
海藻なのか!
と言いたくなるほど
フニャっとなり
男の人に寄り掛かって寝ている。


顔が男の人の首にくる感じで
バンパイアと化している。
女の人の手は
男の人の手の上。


よくある光景。


そう思っていたら、
あらビックリ!



男の人は女の人に
ホテルマン並の気を遣いながらゆっくりと立ち上がり、電車を降りた。



女の人は全力で平然を装いながら、スマホをイジリだした。


『他人かい!』


っと心で叫びました。


結構叫んだので体も心も揺れた。


そんな無言の叫びと揺れの私と偽カップルの一部始終を見ていたサラリーマンが、

ニヤリッと笑っているのが窓越しに見えた。


なんかよく分からないけど四次元はきっとこんな感じだ。


ギターにいかそう


無理矢理いかそう